ダイヤ改正以降は同じ時間の列車でも日によって座席のタイプが変わるようになった。今日はボックス席ではなくロングシートだ。そして驚いたことにウィリアムがいない。出遅れたのだろうか、それとも今日は休みをとっているのだろうか。休みをとった日のウィリアムの朝はいっとう優雅なものだろう。きっと紅茶を淹れてゆっくりしている。 二つ目の駅で乗り込んできた小柄な男性。動きやすそうな格好をしていて、何かの現場に向かっている感じ。微糖の青い缶コーヒーを取り出してすぐには開けず、周りに配慮してかゆっくりと開けた。缶のプルタブは普通に開けても「カシュ!」と鳴るし、どんなに気をつけてゆっくり開けても「カ!……シュ!」と分散して鳴るので、ピークの音量は多分変わらない。それでも音量感を低減しようと努力するおじさんが愛おしい。しかし列車で「カシュッ!」と爽やかな音を立てて缶を開けられても、全然気にしないんだけどな。