喧嘩をしない時代になったのでは、と思う。衝突を避けるためにあらゆる予防線を張り、フィルターをまとっている。傷つけないために距離をとっているのは、傷つかないためでもある。 しかし、人間はそばにいようとする。そばにいることは、いつ相手を傷つけてしまうか分からないという畏怖を引き受け続けることだ。
ウニかもしれない。近づきすぎて傷つけあってしまうことがある。しかし、共にある以上傷つけあうことは織り込み済みなのだ。極力、針の短いウニになろうではないか。傷つけてしまうこともあるが、その時にはもうたいへん近くにいる。
このように書いてから、念のためと思って調べてみたところ、ウニには硬い殻があるため傷つけ合うようなことはないようだ。さすがはウニだ、我々とは格が違う。